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循環器内科

循環器内科のご案内

欧米人に比較すると、日本人は心臓や血管の病気は少ないといわれていますが、文化・食生活の変化のみならず日本人の高齢化に伴い、循環器内科医が診る患者さんは増えてきております。日本人の5分の1は心臓血管系の病気で亡くなられており、しかも、ほかの病気にくらべると循環器の病気は、先ほどまで元気だった人でも、あっという間に悪くなりうるという特徴があります。循環器内科の医師は、災害時の救急隊のように、いつでもどこでも対応できるような体制で診療にあたっています。現在、当院の循環器内科医は12人(内、循環器専門医資格者6名)おり、日本循環器学会教育施設、日本心血管インターベンション治療学会教育施設、東京島CCUネットワーク加盟施設、植え込み型除細動器、ロータブレーター施設、日本不整脈心電学会不整脈専門医研修施設に認定されております。
2017年7月より不整脈・重症心不全不整脈センターを立ち上げ、平日は毎日、不整脈外来で不整脈担当医の診療を行っています。(詳細:不整脈・重症心不全不整脈センター)

診療内容

循環器疾患一般ですが、急性心筋梗塞や重症心不全などの心臓の急性疾患のみならず大動脈解離(心臓血管外科と協同)や肺塞栓症など血管系の緊急疾患の治療にもあたります。また、高血圧・脂質異常症など動脈硬化を促進する疾病も対象疾患であり、予防医学的アプローチも行っています。

代表的疾患とその症状

  1. 急性心筋梗塞・不安定狭心症:一般に胸痛、胸部圧迫感、胸部絞扼感などを自覚します。顎や左手などに痛みを感じることも(放散痛)あり、特に心筋梗塞では、冷汗をかくほどの強い痛みであることが特徴ですが、糖尿病の患者さまなどでは症状が弱いこともあります。
  2. 心不全:息切れ、呼吸困難、下腿のむくみなどで、一般に体重が短時日に増加します。寝ていると苦しくなる(起坐呼吸)こともしばしば認められます。
  3. 洞不全症候群・高度房室ブロック:脈が少ないためにめまい・失神などを生じます。
  4. 心房細動:心臓内にできた血栓がはがれて脳の血管に詰まると脳梗塞症状がでます。
  5. 心室細動:数秒から数十秒で意識消失、心肺停止になります。119番要請と直近のAEDを探しに行ってもらい、ただちに胸骨圧迫を開始しましょう。

手術・検査

PCI(経皮的冠動脈形成術):いわゆる風船療法と呼ばれるもので、バルーン・ステント・ロータブレーターなどで狭窄している血管を拡張します(1.の治療)。アブレーション:脈の速い不整脈の根治治療で、カテーテルで不整脈のもととなっている心筋を焼いて治療します(焼灼術4.の治療)。通常の高周波アブレーションに加えて、冷凍凝固バルーン、またはホットバルーン治療が可能です。デバイス治療:ペースメーカー植込み術(徐脈性の不整脈に対して、機械で心臓を刺激します。3.の治療)。植込み型除細動器(ICD)、ICD付心室再同期療法(2.5.の治療)。


外来日

病診連携の推進:立川市など近隣の医師会の先生方と協力して、急性心筋梗塞にて入院した患者さまが、退院後に安心してかかりつけの先生にかかることができるよう、急性心筋梗塞治療後の外来診察を標準化するための一定の様式の診察チェックリスト(医療クリニカルパス)を作成し、2008年6月から運用を開始しています。病院-かかりつけ医の間で医療連携パスを用い、普段はかかりつけの先生で診察・投薬・検査を受け、退院半年後などに受ける詳しい検査や緊急時は病院で対応するシステムを作りました。

外来担当日

**不整脈・重症心不全不整脈センターを開設し、平日は毎日不整脈担当医の診療があります。

月曜 紹介/再診:佐々木(午前・午後 不整脈センター)、紹介:近江  再診:瀬上(午前・午後)
火曜 紹介/再診:佐々木(午前・午後 不整脈センター) 再診:臼井(午前)
禁煙外来 清水(午後、予約) ペースメーカー外来 不整脈担当(午後、予約)
水曜 紹介/再診:山下(午前・午後 不整脈センター)、紹介:大野 再診:清水、舩山
木曜 紹介/再診:早坂(午前・午後 不整脈センター)、紹介:清水 再診:大野、林(午前)
金曜 紹介/再診:土居(午前・午後 不整脈センター)、紹介:清水 再診:近江、野﨑

治療を受けられる患者さんへ

循環器内科で行っている臨床研究

  1. 「持続性心房細動に対するカテーテルアブレーション治療後の不整脈再発リスクに関する研究」(単施設研究)

    現状当院で施行している持続性心房細動に対するカテーテルアブレーション治療後の経過を調べることで、今後のカテーテルアブレーション治療における質の向上に役立たせることを目的としております。
  2. 「循環器診療の実態調査」(多施設共同研究)

    当院では、日本循環器学会が実施する全国的に循環器診療の実態調査を展開して診療実態を具体的な数で把握するためのデータベース構築として「循環器疾患診療実態調査(JROAD)」を行っています。
    病名や診療行為の明細が含まれたDPCデータを集め、データベースを作成します。循環器診療の質を向上させるための基本的な資料とすることを目的としています。
    ※詳細はこちらをご参照下さい
  3. 「東京都における心血管(循環器)緊急症の実態調査」(多施設共同研究)

    当院では、東京都CCU連絡協議会が実施する循環器診療の実態調査を展開して診療実績を具体的な数字で把握するためのデータベース構築として「東京都における心血管(循環器)緊急症の実態調査」の多施設共同研究に参加しています。
    心血管緊急症のより良い救急医療体制と治療方法を検討し、今後の診療改善に役立てることを目的としています。
  4. 「カテーテルアブレーション症例全例登録プロジェクト(J-ABレジストリ)」(多施設共同研究)

    当院では、カテーテルアブレーションによる治療の現状(施設数、術者数、疾患分類、合併症の割合等)を把握することにより、 カテーテルアブレーションの不整脈診療における有効性・有益性・安全性及びリスクを明らかにし、 更に質の高い医療を目指すことを目的とする多施設共同研究に参加しています。
    ※詳細はこちらをご覧ください(リンク先:J-AB公開文書)
  5. 「植込み型心臓電気デバイス治療に関する登録調査」(多施設共同研究)

    当院では、心臓植込み型デバイスによる治療の現状(施設数、術者数、疾患分類、合併症の割合等)を把握することにより、 心臓植込み型デバイスの不整脈診療における有効性・有益性・安全性及びリスクを明らかにし、 更に質の高い医療を目指すことを目的とする多施設共同研究に参加しています。
  6. 「心房細動誘発性心筋症と拡張型心筋症原因遺伝子変異の関連の解明」(多施設共同研究)

    ※ 詳細はこちらをご覧ください(リンク先:コホート2説明書)
    「心房細動関連遺伝子と臨床像に関するコホート研究」に以前、 参加していただいた患者さまからいただいたデータを新たな本研究に利用させていただき、二次解析を進めさせていただきます。
    ※詳細はこちらをご覧ください(リンク先:コホート1説明書)
  7. 「複数回の手術を要した心房細動に対する化学的アブレーションの有効性に対する検討」(単施設研究)

    当院では、非弁膜症性心房細動に対して複数回のカテーテルアブレーション治療を要した患者さんを対象に、 マーシャル静脈に対する化学的アブレーションの有効性の検討を目的とした研究を行っています。
    ※詳細はこちらをご覧ください(リンク先:複数回AF説明書)
  8. 「心房細動と合併する脳塞栓予防のプレシジョン・メディシン」(多施設共同研究)

    心房細動およびこれに合併する脳塞栓を予防するために、プレシジョン・メディシン (=精密医療。最先端の技術を用いて細胞を遺伝子レベルで分析し、患者さんの個人レベルで最適な治療方法を選択して行う医療のこと) の開発を行うための研究です。
  9. 「リード抜去症例の実態調査(J-LEXレジストリ)」(多施設共同研究)

    経静脈的リード抜去術を受ける方を対象に、国内にどのくらいの患者さんがいるのか、どういう人がこの治療を受けているのか、 治療方法の違いなどを検証するための研究です。
  10. 「心房細動に対する直接経口抗凝固薬の有効性と安全性の検討」(多施設共同研究)

    非弁膜性心房細動の患者さんを対象に、現在の抗凝固薬療法の実態を明らかにするとともに、不整脈の治療別(薬物治療/非薬物治療)に抗凝固薬の有効性および安全性を評価し、 患者さんの背景に応じた経口抗凝固薬の適性使用方法を検討する研究です。
  11. 「ブルガダ症候群における心電図の成因および心室性不整脈発生機序に関するCT、MRIを用いた検討」(多施設共同研究)

    1999年1月1日~2019年12月31日までにブルガダ症候群と診断された患者さんで、心臓CTや心臓MRIを施行した患者さんの画像データを解析し、 ブルガダ心電図の成因および心室性不整脈発症リスクと画像所見の関連を明かにすることを目的としています。
  12. 「経皮的左心耳閉鎖システムを用いた非弁膜症心房細動患者の塞栓予防の有効性と安全性に関する多施設レジストリー研究 -J-LAAO-」(多施設共同研究)

    当院では、経皮的左心耳閉鎖システムによる治療を受けた患者さんを対象に、治療前後のデータを収集し、 本治療法を安全かつ効果的な治療法として患者さんに届けることを目的とする多施設共同研究に参加しています。 本研究は、主となる日本循環器学会のほか複数の学会が協力して進めています。
    ※詳細はこちらをご覧ください(リンク先:J-LAAO 公開文書)
  13. 「心臓再同期療法デバイス植込みにおけるガイディングシースの安全性と有効性についての検討」(単施設研究)

    2015年1月1日~2019年7月31日までに心臓再同期療法デバイス治療を受けた患者さんの心電図や心臓超音波検査などのデータを解析し、 ガイディングシースによる左室リード留置の安全性と有効性を、選択的カテーテルのみを使用した群と比較することで評価します。
    ※詳細はこちらをご覧ください(リンク先:左室リード留置 公開文書)
  14. 「ブルガダ症候群に対するカテーテルアブレーション」(多施設共同研究)

    2010年1月1日~2018年12月31日までにカテーテルアブレーションを受けた患者さんの術中の電気生理学的特徴、 アブレーション治療後の短期予後・長期予後について調査し、将来、より効果的に治療できるよう他施設で研究します。
    ※詳細はこちらをご覧ください(リンク先:ブルガダ 公開文書)
  15. 「循環器疾患及びリスク因子合併COVID-19入院患者に関する他施設共同観察研究」(多施設共同研究)

    2020年1月1日~2020年5月31日までに入院したCOVID-19罹患(PCR検査陽性)患者さんの循環器疾患合併の実態調査を行い、多角的に検証し、データ解析します。
  16. 「劇症型心筋炎レジストリー」(多施設共同研究)

    劇症型心筋炎は心臓の筋肉に炎症が及ぶ、心筋炎という病気のなかでも、急激に血行動態の破綻を来し、命に関わる経過をとる疾患です。 JROADの大規模データベースを用いた劇症型心筋炎の疾患登録とその解析を行い、重症化予測や有効な治療法について検討、研究を行うことを目的にしています。
    ※詳細はこちらをご覧ください(リンク先:劇症型心筋炎)
  17. 「長期持続性心房細動を有する心臓再同期療法デバイス植込み患者に対する、デバイス植込み術前のカテーテルアブレーションの安全性と有効性に関する検討」

    2017年4月1日~2019年12月31日までに心臓再同期療法デバイス治療を受けた患者さんのうち、長期持続性心房細動を有する等の条件を満たす患者さんを対象として、デバイス植込み術前のカテーテルアブレーション施行、非施行の症例を検討します。
  18. 「日本心血管インターベンション治療学会内登録データを用いた統合的解析」(多施設共同研究)

    当院では、心血管疾患に対するカテーテル治療をおこなった患者さんの治療記録を、日本心血管インターベンション治療学会(CVIT)施行の症例登録システムに登録する事業に協力しています。
    ※詳細はこちらをご覧ください(リンク先:J-PCI)
  19. 「High Power Registry (SPARK Registry )」(多施設共同研究)

    メドトロニック社製の新しい機能のついた植込み型除細動器や両室ペーシング機能付き植込み型除細動器を植え込んだ20歳以上等の条件満たす患者さんを対象として、その機能の効果に関して有用性を検討する研究です。
  20. 「持続性心房細動に対するクライオバルーンアブレーションおよび化学的アブレーションを併用したアブレーションの有効性に対する検討」(単施設観察研究)

    非弁膜症性持続型心房細動に対してカテーテルアブレーション治療を要した患者さんを対象に併用したアブレーションの有効性を検討する研究です。
    ※詳細はこちらをご覧ください(リンク先:AFに対するABL有用性)
  21. 「流出路起源心室性不整脈に対するカテーテルアブレーションにおける、Over-theWire型電極カテーテルの有用性について」(多施設共同研究)

    OTW型電極カテーテル(従来より、より径が細く、詳細に冠動脈洞内の評価を行うことのできるカテーテル)を使用して、流出路起源心室性不整脈に対するカテーテルアブレーションを行った患者さんを対象に、解析を行い、OTW型電極カテーテルの有効性を評価する研究です。
    ※詳細はこちらをご覧ください(リンク先:OTW型電極カテーテル)
  22. 「難治性心室性不整脈に対する冠動脈分枝、冠動脈に対する化学アブレーション研究」

    通常の高周波カテーテルアブレーション治療が困難な症例に対して、冠動脈分枝または冠動脈に対してエタノールを注入して治療を行います。
  23. 「カテーテルアブレーション施行患者を対象としたTMDU多施設レジストリ研究」(多施設共同研究)

    東京医科歯科大学および共同研究施設におけるカテーテルアブレーションの現状(疾病分類、合併症割合、治療経過、予後等)を解析することにより、カテーテルアブレーションの不整脈治療における有効性・有用性・安全性を明らかにすることを目的とする研究です。
    ※詳細はこちらをご覧ください(リンク先:カテーテルアブレーションTMDUレジストリ)
  24. 「POLARx™ 心臓冷凍バルーンアブレーションシステム市販後臨床研究 POLAR SMART」(多施設共同研究)

    心房細動は不整脈でも多い疾患です。心房細動のカテーテルアブレーション施行において、ボストン社の冷凍アブレーション(POLARx)使用の安全性、有効性について臨床データを用い、異なる臨床治療や民族的条件のもとでの結果について検証し、今後の治療に役立てる研究です。
  25. 「不整脈診療における診療看護師(NP)によるタスクシフトの有用性」(単施設研究)

    ※詳細はこちらをご覧ください
  26. 「左房内血栓症マネージメントに関する後ろ向き研究」(多施設共同研究)

    ※詳細はこちらをご覧ください
  27. 「ウェアラブル機器を用いた不整脈診断の精度と有用性の横断的検証」(多施設共同研究)

    ウェアラブル機器のアップルウォッチとフィットビットを対象として、その不整脈検知能力を評価し、現在の治療方針をより適切なものとする研究です。

お知らせ

患者さんを診療する上で用いた検査・治療のデータを症例報告、臨床研究等に利用させて頂くことがあります。 この場合、お名前・ご住所など患者さんを特定できるようなことは一切ありません(匿名化といいます)。本研究への参加を拒否することもできます。 上記に該当される患者さんで参加を希望されない場合や、ご質問があれば主治医にお尋ねください。参加を希望されなくても診療上患者さんの不利益になることは一切ありません。 ご理解・ご協力の程よろしくお願いいたします。

スタッフ紹介

清水 茂雄
【役職】
第一病棟部長、医長
【氏名】
清水 茂雄
【資格】
日本内科学会総合内科専門医、循環器専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医、
心臓リハビリテーション指導士、臨床研修指導医、東京医科歯科大学臨床教授、
東京医療保健大学臨床教授
佐々木 毅
【役職】
医長、不整脈・重症心不全不整脈センター長
【氏名】
佐々木 毅
【資格】
医学博士、日本内科学会総合内科専門医、循環器専門医、不整脈専門医、
心臓リハビリテーション指導士、
植込み型除細動器(ICD)/ペーシングによる心不全治療(CRT)研修履修、
エキシマレーザリード抜去プログラム履修、WATCHMANトレーニング履修、
日本不整脈心電学会評議員、臨床研修指導医、東京医科歯科大学臨床准教授、
東京医療保健大学臨床教授
大野 正和
【役職】
医長
【氏名】
大野 正和
【資格】
医学博士、日本内科学会総合内科専門医、循環器専門医、
日本心血管インターベンション治療学会専門医、
植込み型除細動器(ICD)/ペーシングによる心不全治療(CRT)研修履修、
臨床研修指導医、東京医療保健大学臨床教授
近江 哲生
【役職】
医長
【氏名】
近江 哲生
【資格】
医学博士、日本内科学会総合内科専門医、循環器専門医、
日本心血管インターベンション治療学会専門医、
浅大腿動脈ステンドグラフト実施医、JB-POT認定医
山下 周
【役職】
医長
【氏名】
山下 周
【資格】
医学博士、日本内科学会総合内科専門医、循環器専門医、不整脈専門医、
植込み型除細動器(ICD)/ペーシングによる心不全治療(CRT)研修履修、
臨床研修指導医、緩和ケア講習会受講修了医
早坂 和人
【役職】
医師
【氏名】
早坂 和人
【資格】
医学博士、日本内科学会認定内科医、循環器専門医、
不整脈専門医、日本心血管インターベンション治療学会認定医
土居 惇一
【役職】
医師
【氏名】
土居 惇一
瀬上 将太
【役職】
医師
【氏名】
瀬上 将太
【資格】
日本内科学会内科専門医、日本心血管インターベンション治療学会認定医、緩和ケア講習会受講修了医
野﨑 小百美
【役職】
医師
【氏名】
野﨑 小百美
【資格】
ACLSプロバイダー
舩山 遼太郎
【役職】
医師
【氏名】
舩山 遼太郎
【資格】
専攻医、緩和ケア講習会受講修了
林 恭史
【役職】
医師
【氏名】
林 恭史
【資格】
専攻医
臼井 綾香
【役職】
医師
【氏名】
臼井 綾香
【資格】
専攻医、緩和ケア講習会受講修了
飯島 洋子
【役職】
診療看護師
【氏名】
飯島 洋子
【資格】
看護学修士、心臓リハビリテーション指導士