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呼吸器外科

呼吸器外科のご案内

原発性肺癌や転移性肺腫瘍などの肺悪性疾患を中心に、縦隔腫瘍や自然気胸など食道と心臓血管を除く胸部の疾患に幅広く対応しています。

診療内容

関連診療科(呼吸器科、放射線科、消化器乳腺外科、心臓血管外科など)と協力して、ガイドラインやエビデンスに沿って治療を実践しています。症状や治療方針については、十分に時間をかけて納得頂けるまで説明致します。
肺癌に関する化学療法も呼吸器内科や通院治療センターとの連携のもとに積極的に取り組んでおります。

代表的疾患とその症状

  • 肺癌:無症状で定期健康診断や他の病気で通院中に胸部レントゲン写真や胸部CTで偶然発見されることが多いですが、肺癌が出来た位置により咳、痰、血痰、発熱、胸痛等で見つかることもあります。
  • 自然気胸:10代後半から20代前半のやせ形の男性に多く症状は突然の胸痛、呼吸困難です。
  • 縦隔腫瘍:症状が無く偶然発見されることが多いです。ある程度大きくならないと胸部レントゲン写真には写らないことが多いので腫瘍が小さいうちは胸部CTでしか発見できません。
  • 感染性疾患(膿胸・肺真菌症・肺抗酸菌症):発熱、胸痛、呼吸困難、咳嗽、喀痰、血痰等の呼吸器症状ですが、無症状で偶然に胸部レントゲン写真で見つかったり症状が軽くて見つかりにくいこともあります。

肺がん診療に関して

肺がんは現在のところ、毎年日本人の命をもっとも奪っているがんです(男性:1位、女性:2位、全体:1位)。肺がんに対して現時点での最善の治療を提供するのがいわゆる標準治療であり、その教科書ともいうべき肺癌診療ガイドラインは半年~1年ごとに改定され、肺がん治療は着実に進歩していますが、現在でも肺がんは難治がんの1種といえます。当院では基本的に肺癌診療ガイドラインに沿った医療を提供していますが、現状において多くの肺がんに対して最も根治に至る確率が高いのが"手術をすべき段階で発見して標準手術(+抗がん剤治療など)を行うこと"です。近年CT検診の広がりとともに比較的小型の肺癌が発見される可能性も高くなっています。小型の早期肺がんの中には"CTによる経過観察が最も適切な治療"となる方も多くおられますが、そのような方は我々のような肺がん専門医のもとでCTによる経過観察を行い、明らかに大きくなった場合など適切な時期に手術をお勧めする場合があります。手術に関して、当科では10年以上前より、まずは小型肺がんに対して完全胸腔鏡手術を導入し、最近ではⅠ期肺がんの80%以上が胸腔鏡下手術となり良好な成績を挙げています。またご高齢であったり合併症がある方の肺がんに対しては根治性と術後の生活の質を見極めて肺をとる範囲を小さくする縮小手術(肺区域切除や部分切除)も数多く行っています。さらにⅡ期以上のやや進行した肺がんに対してはそれぞれの病態に合わせて、関連各科との協議のもとに、標準開胸手術による拡大手術、他臓器合併切除/再建や気管支/肺血管形成を伴う手術を施行したり、呼吸器科/放射線治療科の協力のもとに手術前後の放射線治療や抗がん剤を組み合わせることで徐々に成績が上昇しています。当科での2013年の肺がん手術症例で見ると病期Ⅰ期:86%、Ⅱ期:60%、Ⅲ/Ⅳ期:43%で良好な5年生存率を得ています。今後も肺がん診療は進歩する一方ですが、その時点での最新の情報をもって最善の医療を提供してまいります。肺がん手術に関するご相談は当科までお気軽にご連絡ください。

手術・検査

呼吸器外科の手術には一般的な開胸手術と傷の小さい低侵襲手術である胸腔鏡下手術、その中間的な小開胸併用胸腔鏡補助下手術があります。当科では現体制のもととなった2008年以降、10年以上にわたり一貫して完全胸腔鏡下手術を行っており、自然気胸や良性疾患では殆ど胸腔鏡下手術を施行しています。また肺癌においても、小型でⅠ期のものに対する区域切除などの肺切除量を少なくした低侵襲手術を含めて、ほぼ全てに対して完全胸腔鏡下手術を施行しております。近年は小型肺癌が見つかる機会が増えており、7割以上が完全胸腔鏡下手術となっています。またⅡ期以上のやや進行した肺癌に対する拡大手術では、気管支形成や血管形成も駆使しながらできるだけ肺を温存し、放射線治療/抗がん剤治療を組み合わせた集学的治療に臨んでいます。

年別手術詳細

診断名/年 2015 2016 2017 2018 2019 2020
肺癌 50 40 57 76 57 67
胸腔鏡下 35 26 37 59 50 48
開胸 15 14 20 17 19
気胸 (膿胸 含) 31 33 22 24 30 27
胸腔鏡下 30 33 22 24 30 25
開胸
縦隔腫瘍 10 10 10 17
胸腔鏡下
開胸
その他
転移性肺腫瘍 16 13
胸腔鏡下 10 13
開胸
その他
その他 12 18 21 18 19 11
胸腔鏡下 14 10 16 14
開胸 11
その他
総合計 109 105 126 134 137 123
胸腔鏡下 83 81 85 112 117 92
開胸 24 24 36 22 20 26
その他

*データ抽出 1月1日~12月31日
肺癌の長期成績は今後発表して行く予定です。

年度別手術詳細

*データ抽出 1月1日~12月31日

年度別手術詳細

*データ抽出 1月1日~12月31日

外来日

火曜日:宮内・木村・塚原 / 金曜日:宮内・木村・塚原

お知らせ

患者さまへ(専門医制度と連携したデータベース事業について)

外科系手術データベース事業は、日本全国で行われた手術・治療情報を匿名化のうえ登録し、集計・分析することで医療の質の向上に役立て、患者さまに最善の医療を提供することを目指すプロジェクトです。なお、参加されたくない場合は、データ登録を拒否していただくことができますので、主治医までお知らせ下さい。ご理解、ご協力の程、よろしくお願いいたします。

スタッフ紹介

宮内 善広
【役職】
医長
【氏名】
宮内 善広
【資格】
日本外科学会認定医・専門医・指導医、呼吸器外科学会専門医・評議員、
内視鏡外科学会評議員、がん治療認定医・暫定教育医、肺がんCT健診認定医
木村 尚子
【役職】
医師
【氏名】
木村 尚子
【資格】
外科専門医、呼吸器外科専門医、臨床研修指導医、緩和ケア研修会受講終了者
塚原 悠
【役職】
医師
【氏名】
塚原 悠
小泉 竜之介
【役職】
医師
【氏名】
小泉 竜之介