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ブログ: 2018年

人間ドック

(2018/05/24 up)

 当院も健診を行っております。人間ドック、特定健診、一般健診が内容となっていますが、本日は人間ドックの話をいたします。
gazo20180524.jpg まずは、「けんしん」には、「健診」と「検診」があります。「健診」は、体格指数(肥満度)、肥満度血圧、脂質、肝機能、血糖値、貧血、腎機能などを診断し、主に生活習慣病がないか、あれば、指摘し、今後の長期的なリスクを診断いたします。「検診」は「がん検診」などで使われ、特定の病気を発見するための検査を主体とした表現です。
 「人間ドック」は、健康に問題がある人をふるいにかけるという意味では、健診と目的は同じです。しかし、健診は国、企業、健康保険組合などが、集団に対して政策的に行うのに対して(対策型の健診といいます)、人間ドックは個人の判断で受けるものになります(任意型の健診という言い方をします)。人間ドックが普通の健診と違うところは、検査後に医師による指導やフォローがあります。検査を受けっぱなしにするのが一番良くないため、検査で異常が指摘された場合に適切な指導や二次検査(精密検査)の受診を勧めて受診の効果を高めるようにしています。
 実際、受診された方はまったく自覚がないのですが、検査で異常が見られる率が結構高いです。一部お示ししますと、過去2年間、当院では400人受診されましたが、採血で基準値(日本人の95%が入る値)をはずれる方が、たとえば中性脂肪は20%、悪玉(LDL)コレステロールは51%、最近は高齢者の糖尿病が問題となっておりますが、空腹時の血糖値が高い方は21%、HbA1cといって過去の2-3ヶ月の 平均の血糖値を表す値はなんと74%もおられます。また、異常がみつかり、二次検診のために院内の専門外来に紹介した方は、のべ201人(消化器科114人、呼吸器科31人、脳神経外科18人、眼科16人、糖尿病内分泌科11人、・・・かかりつけの内科がある場合はそこで診ていただくことが多いため、実際はもっと多くの方が二次検診に回られます)おられました。
 多くの病気は自覚症状がないために、気づかれないままに進行している場合が多いと思います。人間ドックはがん検診の項目も全てではないですが含まれ、gazo20180524_2.jpg早期発見となることもあり、また、生活習慣病は未病のうちに見つけて生活習慣を改善することでひどい事態にならずにすみます。
 当院の人間ドックは、2年前から始めました。1日(9時から15時ごろまで)、お一人か、ご夫婦ならお二人で、昭和記念公園を見渡せる眺めのいい8階の特別室に入っていただき、全ての検査を適宜、休憩などをはさみながら、ゆったりと受けていただいています。昼食は、見かけは豪勢ですが低カロリーの食事を栄養管理室がお出しして好評を得ております。最後に検査の結果を、時間をかけて(異常の内容により30-60分)全てお示しして、生活習慣の改善への指導やあるいは専門外来へのご紹介をしております。皆様の健康長寿へのお手伝いができれば幸いです。ぜひ当院の人間ドックをぜひご利用ください。
健診部 正岡 博幸