一般撮影とはX線を用いて胸や骨などを撮影する検査で、レントゲン検査とも呼ばれています。一般撮影は古くから行われている画像診断の基本となる大切な検査です。CTやMRIなどに比べて撮影時間も短く、救急時などに全体像をすばやく知る必要がある時にも、非常に重要な検査です。当院では少ない線量で高精細な画像が撮影できる一般撮影装置FPD(flat panel detector)装置を導入しています。
また、当院では長尺撮影を行っております。長尺撮影とは、主に頚椎から骨盤部までの脊椎全長や主に股関節から足関節までの下肢全長のように長さのある部位を一回で撮影する方法です。側弯症の診断や下肢全体の撮影が短時間で撮影できます。
当院は北多摩西部医療圏における唯一の救命救急センターとして、3次救急を担っています。患者さんが運ばれて最初に診療を受ける部屋(初療室)からすぐに撮影できるように救急撮影室が併設されています。
当院の一般撮影室は救急撮影室を含め5部屋あり、撮影する部位によって撮影時間は異なりますが、できるだけ待ち時間の少ない検査を心がけています。
マンモグラフィとは、乳房のX線撮影のことです。乳腺症や乳がんなどの診断のため、専用のX線装置を用いて撮影します。上から(頭尾方向)と上斜め横から(内外側斜位)の2方向を撮ることにより乳房全体を把握します。観察しにくい部位がある場合は追加して撮影することもあります。
当院は2020年秋に装置を更新し、トモシンセシス撮影も可能になりました。
今までのX線画像に加え、乳腺の重なりを分離させて画像を作成することができるトモシンセシス機能が搭載されています。従来の単独のマンモグラフィでは乳腺の重なりに隠れて見えない病変を見つけやすくし、あるいは正常乳腺が重なることで病変に見える偽陽性の減少にもつながります。
トモシンセシス撮影は、近年話題になっている高濃度乳腺(dense breast)により有効な撮影といわれています。
いずれの撮影も撮影の際には必ず乳房を挟んで圧迫して薄くします。
乳房を薄くするほど、被ばくが減り、きれいな画像を撮影することができるため、検査を受けられる方のご理解・ご協力がとても大切になります。多少の痛みは伴いますが、技師がすぐ脇で声をかけながら操作しますので、個人個人に合わせた設定が行えます。安心して検査を受けてください。また自治体で行っているマンモグラフィ検診の委託撮影も行っています。
歯科領域のX線撮影は口外法(パノラマ撮影)・ 口内法、頭部X線規格撮影(セファログラム)があります。パノラマ撮影は、装置が頭の周りを回って顎と歯全体を撮影します。主に歯全体の様子や顎の関節、上下顎骨の状態を観る目的で行います。口内法は小さなフィルムを口の中に入れて、2~3本ほどの歯を撮ります。歯のう蝕(虫歯)、歯根や骨の状態がよくわかります。頭部X線規格撮影は顔面のX線撮影で歯科矯正治療や口腔外科的治療を行う際に必要な撮影になります。
骨密度とは骨を構成しているカルシウムなどのミネラル類が、骨にどれくらい詰まっているかを表すもので、骨の強さを示す指標です。この骨密度の状態を調べる検査が骨密度測定検査です。骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の診断によく用いられます。
骨密度を検査する方法はいくつかありますが、当院ではネルギーの異なる2種類のX線を用いて骨とほかの組織とを区別し、骨密度を測定する方法を用いたDXA(dual-energy X-ray absorptiometry)法にて骨密度測定検査をおこなっています。 DXA法は、他の方法と比べ非常に測定精度が高いのが特徴です。
ホルモン療法、または、骨粗しょう症の治療薬を使っている場合、定期的に骨塩定量検査を受けることで、骨密度の変化がわかり、薬の量を調節することができます。
測定する部位は、主に腰椎と大腿骨です。検査時間は仰向けに寝ていただいて5分程度で終了します。また地域医療水準向上のため、地域に住むみなさまにもご利用いただけるよう骨粗しょう症ドックを行っています。詳細は医療連携室(骨粗しょう症ドック)詳細はまでお問い合わせください。
ポータブル撮影とは、レントゲン撮影室への移動が困難な患者さんのために、病室や手術室へポータブル(回診用X線)装置を移動させ撮影することをいいます。
当院では7台のポータブル装置を有しており、救急撮影や手術室、病棟、感染症対策用と、様々な用途で使い分けを行っています。
ポータブル装置は一般撮影同様にFPD装置を導入しております。これにより撮影から画像確認までの時間が大幅に短縮でき、さらに高画質かつ低被曝な画像を得ることが可能になりました。