(2017/08/16 up)
「とびひ」という病名を聞いたことのある方は多いのではないでしょうか。でも「とびひ」の正式病名はご存知ですか?正式には「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」と言います。黄色ブドウ球菌(どこにでもいる雑菌です)による皮膚の浅い部分に限局する化膿性変化で、伝染力の強い病気です。0~6歳くらいまでに好発しますが、まれに大人にも感染することがあります。黄色ブドウ球菌の表皮剥脱毒素(皮膚をはがす毒です)により発症します。ごく小さな水疱から始まり、1~2日で大小の水疱、一部は膿庖となります。水疱・膿庖は容易に破れてびらんとなり、水疱内の菌の接触、伝播により次々に感染し新しい病巣を形成します(「とびひ」と言われるゆえんです)。夏は細菌の活動も活発になります(ちなみに黄色ブドウ球菌は食中毒の原因菌の一つでもあります)。皮膚を清潔に保ち、「とびひ」の発症予防に努めましょう。