(2017/09/08 up)
日本薬局方とは、医薬品の品質を保つため、国が重要とする医薬品の規格や試験法などを記した公定書です。現在のものは昨年発令された第17改正のものになります。第8改正が1971(昭和36)年に発令された後は5年ごとに改正されています。
初版が出されたのは1886(明治19)年です。幕末から明治にかけて多くの分野でお雇い外国人が活躍していましたが、この初版が出るきっかけを作ったのも、一人の外国人でした。オランダ人薬学者のアントン・ヨハネス・コルネリス・ゲールツ(オランダ語読みではヘールツ)です彼は輸入品のキニーネ原料の分析をした結果、粗悪品が混じっていることがわかり、役所に医薬品の検査、粗悪品の取締をするように要望しています。その後、衛生局長が建議し日本薬局方が作成されることになりました。作成に当たり日本薬局方編纂委員会が組織され、委員にゲールツも任命されています。。
こうして日本薬局方が生まれましたが、残念ながらゲールツは完成を見ることなく1883(明治16)年に横浜でなくなっています。
現在、横浜の外人墓地に奥様と一緒に眠っています。墓地は神奈川県薬剤師会が管理しています。これから涼しくなりヤブ蚊もいなくなる季節ですので、機会がありましたら一度掃苔されてはいかがでしょうか。
薬剤部長